2019年12月14日土曜日

「おばけが気になる一年生」byふーのはは

 「今日、おばけやしきに行った。ぜんぜんこわくなかったし。」と、先日、一年生のおばけ大嫌いな娘が、得意げな顔で自慢をしてきた。二年生の出し物にお客さんとして招かれ、その場の勢いで苦手なおばけやしきに入店してしまい、そして案外楽しんで出て来られたとのこと。具体的におばけがどんな顔だったとか、どんなふうにびっくりさせられたとかの報告はなし。きっとなるべく見ないように目を覆いながら、指のスキマからほんのちょっとおばけの姿を捉える努力をし、さっと通りすぎて出て来たのだと思う。あの怖がりへっぽこだった娘が。よくやった!
 娘は二歳ぐらいから、おばけ=怖いものと意識するようになった。部屋の暗がりや原因不明の物音に怯えるたび、おばけの気配を感じてよく泣いていた。同時に、何故かおばけの絵本やアニメ、テレビ番組に強い関心を持ち、止せばいいのに保育園の友達と怖い話で盛り上がって帰って来たりする。おばけ好きは周りの同年代の子供同じ様子。「怖いもの見たさ」という言葉がぴったり当てはまる。
 「怖いもの見たさ」の心理は、幼児期の発達心理学でも研究されているよう。「怖いもの見たさ」でググってみると、「虚構と現実の区別を認識したうえで、安全な距離から怖いものと向き合い、『現実ではない』『でも、もしかしたら』と現実性の揺らぎを楽しむ遊び」と、ネット上で説明されている。また、成長と共に虚構=ウソと現実=ホントの区別がしっかり出来るようになるに従って、あえて怖いものを見ようとする傾向があるという。つまり、子どもにとっておばけは、「ウソってわかってるけど、ホントは居るかも…」とドキドキさせてくれる、それでいて絶対実害のある悪さをしない、スリリングな良い遊び相手であると言える、かもしれない。
 おばけやしき怖くなかった~とドヤ顔をした娘も、保育園では入ることも近づくことも出来ずにいた。まだ娘の中で、おばけやしきの中が〝ウソ〟でなく、〝ホント〟の世界と感じられていたのだろう。一年生になり、娘なりに虚実の区別を付けられるようになって、おばけの世界で楽しめる余裕が出てきたのだと思う。成長しております。
 怖いもの、苦手なもの、他にも沢山ある。学年が上がるにつれ、立ち向かうべき課題も増えていくものだろう。客観的な立場に身を置いておばけを促えることで、怖さを少しずつ克服してきたように、今後も怖い時、苦手なことにも逃げずに向き合って欲しいと思う。そして、楽しめる姿勢を身につけていってもらいたい。
 この前ゲオに行ったとき、「リング」の貞子が、等身大のリアルな姿で掲示されていた。
娘入店できず。まだ今は、スリリングな遊び相手も、気になる~程度に留めておきたいみたい。